便秘・便通異常でお困りの方へ
たかが便秘と思っていませんか?
便秘は『本来、体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出出来ない状態*』と定義されています。(*日本消化器病学会関連研究会慢性便秘診療ガイドライン2017年より)一般に慢性便秘といわれるのは、機能性便秘の方であり、まずは大腸がんなどの(器質的な)病気がないことを確認することが必要です。
刺激性下剤に頼らない治療
市販の便秘薬の多くはセンナ・アロエ・ダイオウを主成分としています。これらの連用で起こると考えられる 副作用として、
- 大腸メラノーシス(腸の表面が黒くなる) ※図1参考
- 大腸が変形する ※図2
- 大腸腫瘍(ポリープやがん)発生の可能性がある
などが報告されています。
当院の治療
便秘には診療ガイドラインがあり、軽症の便秘については基本薬(酸化マグネシウム等)にて対応しています。しかし、現在の投薬だけでなかなか改善が見られない重症慢性便秘症に対しては、ガストロ注腸、排便造影検査、大腸通過時間検査(ジッツマーク®試験)を用いて便秘のタイプを見極め、患者様に合った適切な治療を行っていきます。刺激性下剤に依存している患者様は上記検査を含めた1週間入院プログラムも用意しています。食事療法(※低FODMAP食)、運動療法、バイオフィードバック療法を組み合わせて、排便の改善に向けて総合的に取り組んでいます。
1週間入院プログラム
入院当日にそのままの状態で、水溶性造影剤による大腸の撮影を行います。腸の形、残便状況、狭窄など大きな病変がないことを確認のうえ、絶食・点滴治療に移行します。造影剤には排便を促す効果があり、翌日にレントゲンで腸内に残便がないことを確認します。大腸内のリセットができれば、通常3日目より流動食からの食事開始となります。食事は小腸内での吸収のよい食事(※低FODMAP食)とします。検査結果をふまえ薬物療法、さらに症例によって運動療法(ねじれ体操など)を併用します。薬はいわゆる刺激性下剤は極力使用せず、外来治療へと移行するための治療を行います。入院中に直腸・肛門内圧検査、バイオフィードバック療法、大腸カメラを行うことがあります。
担当医師
便秘外来の担当医師とスケジュールは下記をご確認ください。
女性医師も常勤しております。
※大黒医師...女性医師です。
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